パンク系アンダーグラウンドミュージックの情報を一手に担ってきたDOLL誌が、今月号で遂に休刊となった。
オイラの手元にある一番古い号は、まだZOO名義だった頃のもの。表紙を飾っているのがDEVOなのだから、もうどのくらい昔のものになるのだろうか。
正直ここ数年は、気になっているバンドが載っていたら買う程度の購入頻度になっていてしまった。
一時期のDOLLは、ある種の人々のオピニオンリーダー的な色合いを備えていたのだけれど、21世紀に入って価値観、嗜好の多様化が当たり前の時代に突入してしまうと、単なるクラスマガジン的な立場に落ち着いてしまっていたように思えていた。
その最終号は、雑誌の総括的なことは一切しないいつも通りの内容で、そこがどことなくらしさを感じさせたりしたのだが、その中で一番興味深かったのが、The Slitsの元ギタリスト、ヴィヴ・アルバーティンへのインタビュー記事だった。
Sex pistolsやThe Clashとも文字通り密接な関係にあった、ロンドンパンクの申し子的な存在のSlits。
その往年の姿は、『Women in Punk Rock』というドキュメンタリームービーで拝めることができるが、ここでの彼女たちはもうガラが悪いなんてレベルじゃない。怖いもの知らずでタチの悪い姿をさんざん見せつけてくれます。
余談ですが、この映画にはジャーマンニューウェーブバンド、Malaria!の前身、Mania D.の貴重な映像も収録。彼女たちもSlitsに負けず劣らずタチが悪いです。そして意外というか納得というか、一番愛想が良くて性格の良さ丸出しなのが、ヘビーメタル系のGirlschoolだったりするのが結構笑えます。
初期の奔放でパンキッシュな演奏から、やがて彼女らはレゲエ/ダブミュージックに傾倒していくのだが、このレゲエへのアプローチぶりも、同時代の男連中のパンクロッカーとは一線を画すものだった。
レゲエに傾倒した当時のロンドンパンクバンドというと、The Clash、The Ruts、The Membersなんて辺りが思い浮かぶが、レゲエを教条的に取り込んだClash、レゲエのハードコアな部分に共鳴したRuts、レゲエを日常の音と捉えたMembers(この日本ではめちゃくちゃ過小評価されているバンドも、いずれは取り上げてみたい)と違って、彼女らのレゲエの取りこみ具合も奔放そのもの。
おもちゃを与えられた子供が、それをバラバラに分解してまた適当に繋げ合わせたみたいに、彼女らはレゲエを気ままに解きほぐし、自分たちなりに自由闊達な解釈を加えて、それをフリーキーに再構築した。
そんなSlitsを後押ししたのが、パンキッシュな精神性と、DIYで拙い演奏力。そして臨時ドラマーのバッジー(このアルバムでのバッジーのドラムは本当に凄い)とプロデューサーのデニス・ボーヴェルの助けを借りて、アルバムとしてまとめ上がった彼女たちのサウンドの集大成が、この大傑作アルバム"Cut"だ。
当時17才かそこらの女の子たちが、独力でこんな他には類を見ないサウンドを作り上げていた事実は、なんか空恐ろしくすら思える。
その後Slitsは、'81年にセカンドアルバム"Return of the Giant Slits"を残し解散。
そして'06年にオリジナルメンバーのアリとテッサが中心となって新生Slitsとしての活動をスタートさせ、EP"Revenge Of The Killer Slits"をリリース。かつてのファンをびっくりさせた。
最近のライブではオリジナルギタリストのヴィヴをステージに迎えたりもしている。この経緯は今月号のDOLLのインタビュー記事が詳しい。
さらに今年中にはフルアルバムのリリースも予定しているらしい新生Slits。
あ、念のため、現在の彼女らには、『Women in Punk Rock』で見せた、かつての怖いもの知らずのガラ悪さは、ちっとも残っていないことを付け加えておきます。
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私は「cut」しか聴いていませんが、
そういう人間であったからこそ自由奔放な
曲創りが出来たのでしょうね。
そういえば、かのビョーク姫も
相当な人格の持ち主だそうで・・・
大人しい日本人にはなかなか到達しえない
才能かもしれませんね。
Dollが休刊ですか。
当時15歳の出来損ないは、宝島、ガロと併せて必須アイテムでした。
Dollの広告をみて三軒茶屋までレコードを買いにいったものです。
オイラの中でTheSTALINは別格として
じゃがたら、宮沢正一、モモヨ(リザード)、非常階段、グール、STARCLUB、GISM、ガーゼ、COMES、ウィラード、あぶらだこ、マスターベーション、奇形児、GUSTANK、ラフィンノーズ、COBLA、原爆オナニーズ、肉弾、ZELDA、戸川純、みんなDollで出会いました。
そう、DISCHARGEのCALに憧れてトロージャン決めてみたり...
ああ、なんか上手くまとまりません。
暫らくしたら書き直します。
DOLLはいつも後ろの広告の方から読んでいたんですけれど、近年はその広告の量がぐっと減っていたのが気になっていましたが、やはり広告収入は大幅に減退していたみたいですね。
Comesや奇形児なんかの再発CDが、今やネットで簡単に買えるような時代になってしまったのも、DOLLの存在意義を奪っていった一因かもしれないなぁ。