コロンビアピクチャーズがクレジットに加わっていますが、これはサム・ライミ版スパイダーマンのゲーム化作品ではありません。
このゲームのスパイダーマンは、やけにこまっしゃくれて調子がいい、いけ好かないタイプのガキです。
トビー・マグワイアのピーター・パーカーや、池上遼一版の小森ユウなどは、恐らく教室の隅っこからこのタイプの同級生を常に苦々しい眼で眺めていた事でありましょう。
青い悩みとは一切無縁そうな、そんなお調子者スパイダーマンと今回共闘するのは、グリーンゴブリンにサンドマン、ヴェノムにドック・オクといった歴代悪役の面々。
この悪役連中は、謎の存在によってマインドコントロールされています。行く先々のステージで彼らを打ち倒し目覚めさして仲間に加えていくスパイディ。
それにしても何故お前らも素直にスパイダーマンとの共闘を納得する!?
本作の基本的な造りは、スパイダーマンと歴代悪役をそれぞれが操作して、代わり映えのしない敵をひたすら打ち倒して進んで行く、極めて難易度の低いキッズ向けの協力プレイ用ベルトスクロールアクションです。
よって、この作品に出てくる悪役は、どいつもこいつも揃いも揃ってお人好しな連中に見えてしまうのが、本作のチャームポイントでもありトホホな部分でもあります。
正直このゲームで一番腹黒い奴ってスパイダーマン本人ですよ。
道中でのスパイダーマンとお人好しな彼らの軽妙な掛け合いは、なかなか面白かったりするんですけど、会話バリエーションが乏しいのが少し残念。
そして天下のグリーン・ゴブリンやドック・オクをマインドコントロールしてしまうほどの本作の敵役。
さぞや未知の恐ろしい難敵かと思いきや、正体を現すとこいつもアメコミ版スパイダーマンで御馴染みのあいつだったというオチ。
おいヴェノムよぉ!こんな奴に操られてんじゃねえよ!
舞台となるのは、東京、タンガロア島、エジプト、トランシルバニア、ネパール。
その各ステージの描写のどれもこれもが、いかにも「いい加減な資料を基に適当に作りました!」と言わんばかりのアメコミ情緒溢れるアバウトなものばかり。
洋ゲーにはよく在りがちな事とは言え、東京ステージに点在する珍看板の数々は、やはりそれなりに失笑させてくれます。
肝心のアクション部分は、軽快なレスポンスに支えられはしてますが、基本的に可もなく不可もない出来と言う印象。
各キャラクターにはそれぞれスペシャル攻撃が存在。特にサンドマンの砂嵐攻撃は体験して見る価値があるかもしれません。まぁこれはオイラがサンドマンが大好きと言う贔屓目もありますけど。
一人プレイをしていると頻繁に起こる、CPU操作の悪役が敵を羽交い絞めにしてプレイヤー操作のスパイディがその敵をぼこぼこにぶん殴るなんともプロレスチックなシーンも注目です。
なんだお前ら結構仲がいいじゃん。まるで中西、カシン組を見ているようだ(カシン=スパイディ、中西=サンドマン、ほらイメージ的にもぴったり!)。ワイルドソルジャーズと命名したくなってきたな。
もっともスパイディの操作はプレイヤーに委ねられていますので、ヴェノムやサンドマンが必死にスパイディの攻撃を呼び込んでも、そんなもん全く無視する事も勿論できます。
ますますワイルドソルジャーズみたいだぜ!
基本的には底が浅く他愛がないゲームですけど、元々が子供が集まってのガチャプレイを前提とした作品なので、そこは深く追求すべき問題ではないのでしょう。
ただ協力プレイが二人までしかできないのはやはりマイナスポイント。せめて四人同時プレイができれば、スパイディ、グリーン・ゴブリン、リザード、ブラックキャットが、呉越同舟でわいわい進んで行く楽しい絵面になったのになぁ。
オマケとして2P対戦モードも収録。あ、それからXBOX LIVEには完全に未対応です。これがLIVEで協力プレイができたら、少しは印象が変わったかもしれないけど。
難易度はアホみたいに低く、実績の獲得条件も恐ろしく緩いので、実績ポイント収集マニアには御勧めできるゲームかもしれません。
<北米版・リージョンフリー/日本のXBOX360本体で動作します>
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